よこて発酵文化研究所 ブログ一覧
10月30日(金)~11月3日(祝)開催の秋田県種苗交換会に当研究所も出店いたしました。
今回はその模様をご報告します。
出店内容はこちらをご覧ください。

10月30日(金)は雨で時折晴れ間ものぞきましたが、筆者が訪れた時には冷たい雨が降っておりました。



世界の「臭いもの」が大集合。
筆者も試しましたが、世界で最も臭い缶詰「シュールストレミング」よりはドリアンの方が参りました。「シュールストレミング」の腐った魚の匂いは過去に経験もあるせいかさほどでもありませんでした。

市内高校生を対象としたお菓子コンテストの作品が掲示されています。



いぶりがっこの語源は「燻す」+がっこ(秋田の方言で漬物を意味します)。

荒縄で吊るされた大根は何日間も薪を炊いた煙で燻されて飴色に変化します。

クイズに答えると賞品がもらえます。賞品の特別な納豆はすぐに完売したとのこと。

今日は、「熟成味噌ディフェンシン」の原料となる大豆の生育状況を撮影して参りました。
畑のある黒川地区は、横手市のはずれに位置し、多くの作物の田園風景が広がっている場所です。

前回撮影時は、10cm程だった背丈が倍以上の大きさになっておりました。

ほぼ1っヶ月前には、周囲の土も見えてまだ赤ちゃんだった苗も、大きいものでは40cmの大きさまで成長していました。

花が枯れて小さなさやの原型が現れてきました。
最近は雨続きで作物にとっては、日照不足が懸念されておりますが、ここの大豆は順調なようで安心しました。
6月19日(金)増田町の「旬菜みそ茶屋 くらを」の場所をお借りしてディフェンシン味噌のパック詰め作業を行いました。
FT事業組合の4人のメンバーが集まって約4時間以上かけて150個のディフェンシン味噌を完成させました。

まずは味噌をパックに充填します。

次に計量します。

そして、空気が入らないよう十分に圧縮します。この作業がもっとも大変です。

次はシーラーで蓋を圧着させます。

さらに上蓋を閉じて終了です。

150個ということは、10個入の箱が15箱!
ずっと、中腰での作業のため、皆さん腰に手を当てながら汗を流しました。
お疲れさまでした。
これまでよこて発酵文化研究所では、様々な大豆と糀の配合割合を変えることでこれまでにない新しい味噌の研究・開発に努めてきました。
そして、遂にこのたびまったく新しい味噌が完成しました。その名も「熟成味噌ディフェンシン」!

[商品名] 熟成味噌ディフェンシン
[内容量] 400g入り
[原材料] 米(横手市産)、青大豆(横手市産)、塩(国内製造)
[保存方法] 要冷蔵(10℃以下)
ご購入はこちらからどうぞ
原材料は吟味した地元、横手産の米と青大豆。そして、秋田今野商店謹製の特別なこうじ菌
原料は地元、横手市産の秘伝豆を100%使用しています。秘伝豆は枝豆として食されることが多い青大豆で、「知る人ぞ知る幻の枝豆」ということから「秘伝」の名が付いたと も言われています。
米は地元、横手市産「あきたこまち」を100%使用しています。
糀は、秋田今野商店謹製によるこの味噌専用の特別なこうじ菌を使用しています。
この「熟成味噌ディフェンシン」は、発酵を止める酒精の添加や熱処理をしていませんので、酵母が生きている「生味噌」です。天然素材由来の優しい風味と旨味が特徴です。
もちろん、横手の味噌の特徴である、糀をたっぷりと使った味噌です。手間暇かけてゆっくり生育させた味わい深い米こうじをたっぷり使用することで、芳醇な風味とこうじのほのかな甘みの味噌が醸されます。

ディフェンシンの名称について
生物が生来持っている生体防御機構として抗菌ペプチドの存在が知られています。これらは自然免疫と呼ばれ、局所での感染防御を担っていることが解明されています。一方、人間における抗菌ペプチドは、ディフェンシンと総称されています。ディフェンシンは、細菌、真菌等に対して抗菌活性を有しており、生体内で種々の生体防御機構に関与していることが明らかになっています。
中でも、皮膚や肺、気管等の粘膜上皮に発現するディフェンシンとして、βディフェンシンが知られていますが、特にヒトβディフェンシン2は、口腔、肺、気管、眼、鼻、消化器官等の粘膜組織及び皮膚において特に強く発現し、細菌感染や炎症性サイトカイン刺激にて発現誘導される、等の特徴があることが解明されており、肺炎等の気管感染症や炎症と密接な関係があることが示唆されています。
近年、βディフェンシンは、局所の感染防御だけでなく、上皮組織の組織修復や樹状細胞、Tリンパ球、単球等の細胞を遊走させることによる獲得免疫にも関与していることも報告されています。また、腫瘍免疫を誘導して、抗腫瘍効果を発揮することやガン細胞で増殖抑制作用があることも報告されています。
生体内で感染防御を司るヒトβディフェンシンの産生を促進することができれば、直接的な抗菌作用の強化ができるだけでなく、感染部位において免疫担当細胞を動員することで、生体防御機構を一層強化できると考えられています。
熟成味噌ディフェンシンは人間の細胞株においてヒトβディフェンシン2を高誘導することが期待されます。
ご購入はこちらからどうぞ
FT事業協同組合
この商品は「FT事業組合」が開発に携わりました。本組合は、伝統的な製法に新しい工夫を加え、より高い健康機能をもった味噌を造ることを目的として結成された市内の6つのこうじ屋が結集した団体です。
「発酵技術(FT/Fermentation Technology)を探求・改革し続け、人々の食文化を楽しく美味しくするとともに、健康で幸福な暮らしに貢献する発酵食品づくりに努める」ことを理念として「発酵のまち横手FT事業協同組合」を設立いたしました。
同組合の第1号商品となる「熟成味噌ディフェンシン」は「ヒトβディフェンシン2」の体内産生を高誘導することが期待される味噌です。体の中で感染防御を司る「ヒトβディフェンシン2」の産生を促進できれば、免疫力を高めて外敵の体内侵入を防ぐ抗菌作用や防御機能を強化できると言われています。
毎日おいしく食べて、健康に。そんな想いを込めて作った味噌です。ぜひご賞味くださいませ。


FT事業協同組合のメンバー。
2019年11月29日号 魁新聞に「発酵のまち横手FT事業協同組合」が開発した「熟成味噌ディフェンシン」が取り上げられました。

2019年11月24日(日)秋田ふるさと村「鳥海」を会場に令和元年度「よこて発酵フォーラム」が開催されました。
今回は、その模様をご紹介いたします。
当日の午前中は雨にもかかわらず定員の100名を超える方々にお越しいただきました。
今回のフォーラムは「はじまりは横手~全国発酵のまちづくりの『これまで』と『これから』~」と題して、東京農業大学名誉教授、よこて発酵研究所顧問の小泉武夫先生より講演をいただきました。
はじめに当研究所、多賀糸所長よりあいさつがありました。

続いて高橋横手市長よりごあいさつがありました。


続いて、小泉武夫先生より「はじまりは横手~全国発酵のまちづくりの『これまで』と『これから』~」と題して講演していただきました。
先生からは平成20(2008)年の『全国発酵食品サミットin よこて』からこれまでの11年間の出来事をなどを織り交ぜながら、様々な興味深い内容を講演いただきました。
現在取り組んでいることとして、生ごみから肥料を作る施設を使った事業を行っている、などが紹介されました。

開発に携わった3名が紹介されました。
左から発酵のまち横手FT事業協同組合理事長 佐々木喜一氏、国立大学法人秋田大学横手分校長 佐々木均氏 、国立大学法人秋田大学横手分校 前分校長 根岸 均氏
参加者に今回販売開始となった「熟成味噌ディフェンシン」をつかったお味噌汁や発酵食品をつかったランチを食べていただきました。



また、今回は第2回「YOKOTE発酵FES」のイベントの一環として開催され、ドーム劇場では展示販売なども行われました。




お求めは、横手FT事業協同組合 丸幸(TEL. 0182-32-9582)までどうぞ。


3月17日(日)、かまくら館を会場に「発酵フォーラム」が開催されました。
はじめに横手市長よりごあいさつを頂きました。

続いて当研究所の多賀糸所長より開会のあいさつがありました。

【第一部】 講演会
演題「寿命を決める子供の頃の食習慣」
講師:株式会社 秋田今野商店 代表取締役社長 今野宏 氏

初めは免疫についてのお話から始まり、体内の臓器の役目や働きなど多岐に亘りました。
免疫力について
一般に、免疫というと外的から身を守るためと思われているが、それ以外にも元の状態に戻すという大事な働きを持っている。
・人体には60兆もの細胞があり、その約1%、約6000億が日々生まれ変わっている。新しい細胞が生まれ変わるのに約一週間かかる。
・人間に寿命があるのと同様に臓器にも寿命がある。
・3000~5000の細胞が変異し、がんの元になるものもある。
・人体で最も最初にできる器官は腸である。
・免疫を司る胸腺という器官が、免疫の学校などと言われ、どのようなウイルスを攻撃するかなどの指令が飛ぶ。
・アメリカでは乳がんの発生率が日本の数倍多い。欧米ではこれらについて国を挙げて調査している。今のところ、大豆が関係していて、ただ大豆を食べるだけでなく、大豆を発酵させたものが良いらしい、というところまで分かっている。
・人間の体には100兆個もの腸内細菌がある。そのうち、良い菌は2割、悪い菌は1割、何もしない菌(日和見菌)は7割、と言われる。
・脳と腸には直通電話のようなものがある。セロトニン、ドーパミンなどは腸で作られ、脳に送られる。
腸内細菌を活性化する食べ物として「まごはやさしい(な又は、よ又は、こ)」を教えて頂きました。
ま=まめ
ご=ごま
は(わ)=わかめ
や=やさい
さ=さかな
し=しいたけ等のきのこ類
い=いも
な=なっとう
よ=ヨーグルト
こ=こうじ
などなど、菌に関するとても興味深いお話を聞くことができました。
【第二部】
横手の食材を使ったアイデアレシピコンテスト表彰式
横手市では、横手の農産物を活用したアイデアレシピを市内の小中学校を対象に募集しました。
その結果、197品ものたくさんの応募をいただきました。
審査の結果、最優秀賞 1名、優秀賞 9名の方が受賞されました。


他にもこだわり味噌の試食会

あめこうじを使用した甘酒の試飲コーナー

来る3月17日(日)、「かまくら館 大ホール」を会場に「発酵フォーラム」が開催されます。
タイムスケジュールは以下を通りです。
【一部】
◆講演会(13:10~14:10)
株式会社秋田今野商店 代表取締役社長 今野宏氏より「寿命を決める子供の頃の食習慣」をテーマに講演いただきます。
【二部】
◆表彰式(14:10~14:30)
横手の食材を使ったレシピコンテスト表彰式を行います。
【三部】
◆映画上映会(14:45~16:00)
映画「いただきます~みそをつくる子どもたち~」を上映いたします。
詳しい内容はこちらからご覧いただけます。(クリックで拡大できます)
12月25日(火)醍醐交流センターを会場に「横手の発酵文化を知ろう」と題して「健康講座」が開催されました。
当日は雪も少なく、例年に比べさほど寒さも気にならない陽気となりました。
醍醐地区のお母さん方、15名ほどが参加されました。
本講座では、当研究所副所長の七尾氏が講師を務め、横手の発酵文化や発酵食品の紹介、調理実習も行いました。

当日配布された資料
調理実習では、
1. 横手のまるごといものこ汁
2. ダッチオーブンをつかった、鮭の塩こうじ漬けホイル焼き
3. 酢味噌のふろふき大根の
調理を3班に分かれて行いました。
まずは、七尾氏の講座からご紹介します。
発酵のメカニズムをパネルを用いながらお話し、人間に有益なものは「発酵」、害を与えるものを「腐敗」と呼び、ことなどをお話しされました。
・横手は発酵のまち
・オリゴ糖は腸内の善玉菌を活性化させる
・お餅、冷たいおにぎりは、腸で分解される
・普通の味噌は、大豆:麹の割合が1:1に対して、横手の味噌は、1:2~3と、麹の量が多い。このため、旨み成分が多く甘い味噌が出来る。そのため、塩分も少なくて済む。
心がけている言葉として「いまだけ」「ここだけ」「これだけ」が紹介され、
「いまだけ(旬のもの)」「ここだけ(この地域で採れたもの)」「これだけ(もう少し食べたい、という量)」と解説されました。
受講生のお母さん方もしきりに感心されていました。
1日の塩分濃度摂取量は、成人男性では8g、成人女性では、7gとされています。
それに対して味噌の塩分濃度は1.2~1.5g程度ということ。つまり、1日に3杯のお味噌汁を飲んでも1日の接収量を超えることはない、という事です。
このことからも、味噌汁は、「塩分が高い」という認識は間違っていることが分かります。
4種類の味噌を味見して普段食べている味噌とどのように違うかのテストを行いました。
テストの後、それぞれの麹の量、塩分濃度が発表されました。
私も味見にトライしてみましたが、普段食べている味噌を当てられず、自分の味覚が劣っていることを痛感させられました。
続いて、3班に分かれて「いものこ汁」「ふろふき大根」の調理に入りました。
10月14日(日)、よこてイーストを会場に『YOKOTE発酵FES』が開催されます。
このイベントは、おいしくて、健康にいい、横手の発酵技術と食文化の魅力を発信するイベントです。
